急ぎで登記申請をしたい!どうすればよい?

「許認可の関係で、〇日までに変更後の登記事項証明書が必要!」「〇日までに取引先に新社長名義の印鑑証明書を提出しないといけない!」など、の場合の対応について解説します。

基本は法務局に相談してみること

まずは登記完了予定日を確認

各法務局のホームページは、登記完了予定日を公開していますので、まずはそちらを確認しましょう。

東京法務局各庁別登記完了予定日
https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/kanryoyotei.htm

管轄法務局を確認 → 不動産または商業、法人の別を確認して、予定日を確認します。

なお、書面申請の場合は、申請窓口で完了予定日が記載された紙をもらえることもあります。

以前は、通常は申請から概ね1週間程度、繁忙期(各四半期末の時期)は2~3週間程度で完了していました。新型コロナウイルス禍以降は、少し処理に時間がかかる例が増えてきており、通常は申請から1~2週間程度、繁忙期は1か月程度かかる場合もありますので、注意が必要です。

急ぎのお願いをするときはどうする?

窓口担当員に相談することも可能だと思いますが、申請書に大きな付箋を貼るなどすると、法務局としても助かるようです。

申請書用総合ソフトを使用して登記申請書を作成する場合は、「その他申請書記載事項」という欄がありますが、そちらに連絡事項を書いても見落としやすいそうで、付箋がベストです。

記載方法は色々あると思いますが、例えば

「大変恐れ入りますが、可能であれば〇月〇日までに処理完了いただけないでしょうか。」

などと記載します。

注意:法務局に負担にならないように配慮しましょう

急ぎの処理を要望しても、繁忙期で法務局としても対応ができない場合があります。また、申請人側で書類に不備があったりする場合は希望通りにならないこともあります。

また、法務局の事務処理にも配慮して、不必要に急ぎの要望を出さないよう、お願いをするのはやむを得ない事情があるときだけにしましょう。

ファスト・トラックについて ~設立登記はわりと早く完了します。~

わりと急ぎで必要なことが多い設立の登記については、窓口や法務局ウェブサイトで示される登記完了予定日にかかわらず、早期に処理を完了することとされています。

(1)株式会社及び合同会社の設立登記

株式会社及び合同会社の設立登記は、原則として、 申請の受付日の翌日(書面の全部が登記所に到達した日の翌日)から起算して3執務日目までに完了することとされています。

法務省:平成30年3月12日から,会社の設立登記のファストトラック化を開始します。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00110.html

なお、株式会社と合同会社が対象であり、合名会社や、一般社団法人などは対象外と思われますので、注意しましょう。

(2)スーパー・ファストトラック・オプション

令和3年(2021年)から、株式会社の設立手続について、電子定款認証と設立登記のオンライン同時申請をした場合は、なんと原則24時間以内に登記完了するものとされました。

①電子定款の認証と、②株式会社の設立登記の申請をオンラインで同時に行うことが条件です。

日本公証人連合会:電子定款認証と設立登記のオンライン同時申請制度の開始について
https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20210215-2.html

法務省:オンラインによる定款認証及び設立登記の同時申請の取扱いを開始しました
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00088.html

もっとも、オンライン申請のためには、設立発起人が、登記申請に必要な書類を全てデータで用意すること、つまり添付書類に電子署名をする(電子証明書)必要があることから、まだ申請件数はそこまで多くはないようです。

司法書士はオンライン申請の希望に対してもサポートが可能ですので、是非ご遠慮なく、ご相談ください。

司法書士・行政書士 司栗事務所代表。日本企業やグローバル企業からの依頼による会社・法人の設立、株主総会、M&A、グループ内再編、独禁法関連、特定目的会社を利用した資産の流動化、金融商品取引業、投資法人(REIT)等に係る登記手続や官公署への届出事務等に多数関与した経験を有する。
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