第二種貨物利用運送事業の許可取得にあたり検討すべきスケジュール・許可要件等

最終更新:2022年1月25日

第二種貨物利用運送事業の許可取得にあたり検討すべきスケジュール・許可要件等について、行政書士の視点から概要を整理しましたので掲載します。
なお、貨物利用運送事業法を、以下「法」といいます。

許可を取得するまでの必要期間

標準処理期間は3~4ヶ月とされています。

※地方運輸局を経由して申請される事案又は集配拠点のある地方運輸局へ照会する必要のある事案に係る標準処理期間は、上記標準処理期間に1ヶ月追加したものとなります。

なお、申請内容の修正に係る時間は標準処理期間内に含まれません。

<参考>

貨物利用運送事業についてのQ&A Q27
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_fr2_000014.html
https://www.mlit.go.jp/common/001179705.pdf

貨物利用運送事業法の許認可等に係る審査基準及び標準処理期間について(国土交通大臣権限関係)
https://www.mlit.go.jp/common/000053778.pdf

許可を取得するために必要な要件

(1)許可の基準

以下の要件が規定されています。(法23条)

一 その事業の遂行上適切な計画(集配事業計画を除く。)を有するものであること。
二 その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
三 その事業に係る実運送により定時に、及び定量で提供される輸送力の利用効率の向上に資するものであること。
四 貨物の集配を利用運送と一貫して円滑に実施するための適切な集配事業計画が定められているものであること。
五 貨物の集配を申請者が自動車を使用して行おうとする場合であって申請者が当該貨物の集配について貨物自動車運送事業法第三条又は第三十五条第一項の許可を受けていない者であるときは、集配事業計画が当該貨物の集配に係る輸送の安全を確保するため適切なものであること。

(2)欠格事由

以下の事由が欠格事由とされています。(法22条(法6条1項1号~4号、5号イ~ニ))

1.
一 一年以上の懲役又は禁錮この刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第一種貨物利用運送事業の登録又は第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
三 申請前二年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
四 法人であって、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)のうちに前三号のいずれかに該当する者のあるもの

2.
船舶運航事業者若しくは航空運送事業者の行う国際貨物運送又は航空運送事業者の行う国内貨物運送に係る第二種貨物利用運送事業を経営しようとする者であって、次の者
イ 日本国籍を有しない者
ロ 外国又は外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの
ハ 外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
ニ 法人であって、イからハまでに掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるもの

(3)審査基準

下記で公開されており、詳細な要件は下記審査基準中の別紙Bに記載されています。

貨物利用運送事業の登録及び許可の申請並びに約款の認可申請等の処理方針等について
https://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/content/000174500.pdf

全て引用すると長くなってしまいますが、要件として挙げられているもののうち主なものを記載すると以下のとおりです。

・使用権原のある営業所、店舗を有していること。(別紙B 1(2)①)
・保管施設を必要とする場合は、使用権原のある保管施設を有していること。(別紙B 1(2)③)
・営業所等や保管施設が、都市計画法等関係法令の規定に抵触しないこと。(別紙B 1(2)②、④)

・保管施設の規模、構造及び設備が適切なものであること。(別紙B 1(2)⑤)
・純資産300万円以上を所有していること。(別紙B 2(1))

なお、第一種が「貨物利用運送事業の形式的要件を満たしているかどうか、過去の犯罪歴や法への違反性、最低限必要な施設及び財産的基礎という必要最小限の客観的な要件への適合性についてのみ確認する」と、形式審査であるのに対し、第二種については「利用者に対する運送責任を適確に果たす等運送人としての適正な事業運営が行われることが要請されるものであるため、事業運営の適切性、事業遂行能力等について、適確な審査を行う必要がある。」と実質面についても審査されることとされています(同審査基準2.及び3.)。

(4)条件等

その他、許可に際して条件又は期限を付される場合がありえます(法54条)。

司法書士・行政書士 司栗事務所代表。日本企業やグローバル企業からの依頼による会社・法人の設立、株主総会、M&A、グループ内再編、独禁法関連、特定目的会社を利用した資産の流動化、金融商品取引業、投資法人(REIT)等に係る登記手続や官公署への届出事務等に多数関与した経験を有する。
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