論考・記事

新株予約権の全部放棄の登記(登記記録例付)
2026.02.12

本稿では新株予約権の全部放棄がなされた場合の登記手続について、整理します。

1.登記手続の必要添付書類

新株予約権の全部放棄の登記申請には、委任状以外の添付書類は不要です。

但し、登記申請には不要であっても、実務上は、新株予約権者から放棄書を取得したり、会社と新株予約権者との間で放棄に関する覚書が作成されることが望ましいと考えられます。登記を担当する司法書士からは、いわゆる「バックアップ資料」として、登記申請の添付書類とするか否かにかかわらず、上記のような資料の提示を求められる場合もあるでしょう。

2.登記申請の内容

登記の事由は「(第〇回)新株予約権の全部放棄」、登記すべき事項は「令和〇年〇月〇日 第〇回新株予約権全部放棄」などとします。

オンライン申請の場合の登記すべき事項の例があまり見つかりませんが、次のとおりで申請したところ、問題なく登記ができた例があります。もっとも、厳密にいえば、下記の登記記録例を考えると、原因年月日欄に「年月日 新株予約権全部放棄」の記載をするのは少し変かもしれません。例2のように、鍵括弧を使わない形で申請しても問題ないかもしれません。

例1:
「新株予約権の名称」第〇回新株予約権
「原因年月日」令和〇年〇月〇日新株予約権全部放棄

例2:
令和〇年〇月〇日 第〇回新株予約権全部放棄

3.登記記録例

対象の新株予約権の登記記録の下に行が追加されたうえで、「年月日 新株予約権全部放棄 年月日 登記」の形で記録されます。