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在留資格変更許可申請の申請前の検討事項(特定技能:ビルクリーニング分野)
2024.11.21

会社が、ビルクリーニング分野に従事する外国人を雇用しようとするときは、当該外国人は在留資格(特定技能)を取得する必要があります。しかし、在留資格の申請前に、会社・外国人でそれぞれクリアすべき課題があります。本稿では、こういった課題のうち特に注意すべきものについての概要を紹介します。

【外国人の義務】特定技能外国人の資格要件

特定技能の場合、以下の2つの試験に合格する必要があります。これらの試験をクリアしたことを証明する書類が、在留資格の申請時の添付書類となりますので、あらかじめ試験の日程等をよく確認したうえで計画的に準備をすることが必要となります。

①ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
詳細: https://www.j-bma.or.jp/qualification-training/zairyu
②国際交流基金日本語基礎テスト,又は,日本語能力試験N4 以上
詳細: https://www.jpf.go.jp/jft-basic/
https://www.jlpt.jp/

【会社の義務】協議会への加入

令和6年2月15日付けで「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(以下『運用要領』という。)が一部改正され、令和6年6月15日に施行されました。
この運用要領の改正により、特定技能外国人の更なる円滑な受入れに向け、受入機関が地方入管局への在留申請を行う前に協議会の構成員とならなければならない旨が定められました。

そのため、在留資格の申請前に、外国人を受け入れる会社は、ビルクリーニング分野特定技能協議会への事前の加入が求められます。
詳細:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/blc_tokuteiginou03.html

【会社の義務】支援計画の策定・実施・定期報告等

外国人を受け入れる会社にて、外国人の支援の実施に関する計画を作成し,当該計画に基づいて支援を行う義務が生じます。
なお支援計画の実施については「登録支援機関」に委託することが可能です。
参考:登録支援機関の一覧(法務省)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00205.html
このほか、活動報告等の定期の届出が必要となるなど、会社様の事務負担が一定程度生じることが予想されます。外国人を受け入れるかどうかの判断にあたり、あらかじめよく検討することが重要です。

【会社・外国人双方の義務】外国人の国籍国における手続き

日本側の手続きに加え、外国人の国籍側でも一定の手続きが必要とされている場合があります。
行政書士や司法書士などの専門家がカバーできるのはあくまで日本法に関する部分であり、外国法に基づく手続はサポートできないことが一般的です。この点は、受け入れる会社にて、外国人の方とよくご確認いただくことが肝要です。

参考になる資料

法務省:特定技能ハンドブック
https://www.moj.go.jp/content/001326468.pdf