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外国人が届出人となる場合の印鑑届書の記載方法
2024.08.29

外国人(海外居住者)が届出人となる場合の印鑑届書の記載例について、公開されている情報が少なく実務上迷う例があるようですので、本稿で解説します。

主なポイントは次のとおりです。

1.届出人の氏名・住所は登記上の表記にあわせる。

現行制度上、登記上はアルファベット表記で氏名・住所を登記することが認められておりませんので、氏名・住所は登記上の表記、すなわちカタカナで記載します。この印鑑届書に基づいて印鑑証明書が発行されますので、印鑑証明書の氏名・住所もカタカナで表記されることになります。

2.届出人は実印押印の代わりにサイン

届出人が日本に居住していて日本で印鑑登録をしている場合を除いて、届出人の捺印欄には署名(サイン)をすることになります。

3.サイン証明書(署名証明書)の添付が必要

株式会社の代表取締役が届出人となる場合は、届出人の印鑑証明書の添付が必要です。日本で印鑑登録をしていない場合は、届出人の国籍国の官憲が発行したサイン証明書(署名証明書)を添付します。

この点、例えば香港在住のアメリカ人が届出人となっている場合、香港の公証人(香港官憲)が認証したサイン証明書は使用することができず、香港の在アメリカ大使館等(アメリカ官憲)が認証したサイン証明書を提出することとされていますので、注意が必要です。